水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)
水酸化ナトリウムは、油脂を固形石けんとグリセリンに変える強アルカリです。計算したレシピどおりに量れば反応で使い切られますが、それまでは皮膚や目を腐食するため、購入、取り扱い、保管、廃棄のどれにも注意が必要です。
- H314 Causes severe skin burns and eye damage
Harmonised classification in Annex VI of Regulation (EC) No 1272/2008 (CLP), index number 011-002-00-6: Skin Corr. 1A, which applies to any solution of 5 % or more. Many suppliers also label it H290, may be corrosive to metals, as their own classification in the ECHA C&L Inventory.
識別情報
Sodium Hydroxide
- 化学式
- NaOH
- CAS
- 1310-73-2
- EC
- 215-185-5
- 別名
- lye, caustic soda, NaOH, E 524
ガイド
性質と働き
水酸化ナトリウム(NaOH)は「苛性ソーダ」の名で売られている白い固体で、身近なアルカリの中でも特に強いものの一つです。石けん作りでは、油脂の分子一つを石けん三分子とグリセリン一分子に分ける水酸化物イオンを供給します。ナトリウムは石けんの側に残り、固形石けんが硬く固まるのはナトリウム石けんだからです。
この反応は決まった比率で進むため、苛性ソーダはグラム単位で量ります。油脂がどれだけのアルカリを必要とするかは鹸化価でわかります。鹸化価は油脂のグラムあたりの水酸化カリウムのミリグラム数(mg KOH/g)で公表されているため、計算ツールは二つのモル質量の比、39.997対56.106を使って水酸化ナトリウムの値に換算します。
石けんの作り手は、油脂が使い切れる量より少しだけ少なく苛性ソーダを量ります。この余裕がスーパーファット(苛性ソーダの減量分)で、これにより先に尽きる材料は苛性ソーダの方になります。計算ツールの初期値5%では、オリーブオイル1000 gに必要な水酸化ナトリウムは128.7 gです。これは油脂の95%を鹸化できる量で、残りはオイルのまま石けんに残ります。反応が終われば相手のない苛性ソーダは残らず、残るのは石けん、グリセリン、スーパーファット分の油脂、そして少しの水分です。
反応は初めは速く、終わりに近づくほど遅くなります。Kevin Dunnの研究では、最初の四時間石けんを保温しておくと反応の大半は一日以内に終わり、熟成後の石けんの大半は、滴定しても遊離アルカリがまったく検出されませんでした。だからこそ、できたての石けんは最初の数日間は手袋をして扱い、正しく計算して熟成させた石けんはその必要がないのです。
形状、グレード、純度
固体はフレーク状、小さな球状のビーズ(パールやマイクロビーズとして売られています)、顆粒状で出回っています。NIOSHはフレーク、ビーズ、顆粒と記述しており、EUの食品添加物規格はさらにペレット、棒状、溶融塊を挙げています。形状によって注ぎやすさは変わりますが、働きは何も変わりません。どの形状でも必ず重さを量ってください。レシピの苛性ソーダは重さで示すもので、体積で量るものではありません。
食品グレードの水酸化ナトリウム(食品添加物E 524)は、規則(EU)No 231/2012のEU規格により、NaOHとしてのアルカリ分が98.0%以上、炭酸ナトリウムが0.5%以下でなければなりません。計算ツールの注記では食品グレードと工業グレードを98〜100%としており、Dunnが石けんの作り手に示したメーカーの証明書では99.9%でした。
そのため計算ツールは100%を前提にしており、この前提は安全側にあります。実際の純度が98%の苛性ソーダで設定を100%のままにすると、当サイトの普段使いの石けんはスーパーファット5%ではなく6.9%になります。少しやわらかく、少しマイルドになるだけで、苛性の残る石けんにはなりません。避けるべきなのは逆の誤り、つまり実際より低い純度を入力することです。その場合、計算ツールはより多くの苛性ソーダを量らせます。設定を変えるのは、ラベル、分析証明書、または自分で行った滴定で数値がわかったときだけにしてください。
Anne Watsonの言うとおり、パイプ用洗浄剤が使えるのは、ラベルに「水酸化ナトリウム100%」または「苛性ソーダ100%」とだけ書かれ、ほかに何も書かれていない場合に限られます。パイプ用洗浄剤の多くは混合品です。Anne-Marie Faiolaは、顆粒タイプの中にはアルミニウムの粒を含むものがあり、苛性ソーダがアルミニウムを侵して可燃性ガスである水素を発生させると警告しています。ほかにも、Alicia Grossoの言葉を借りれば石けん作りにはまったく向かない成分を含むものがあります。混合品はほかの化学物質を石けんに持ち込み、容器の中で純粋な苛性ソーダにはない反応を起こすことがあるため、絶対に使わないでください。純粋な水酸化ナトリウムは白色かほぼ白色です。容器の中に斑点、色味、金属のようなものが見えたら返品してください。
溶かし方
必ず苛性ソーダを水に少しずつ加えてください。水を苛性ソーダに加えることは絶対にしないでください。国際化学物質安全性カード(International Chemical Safety Card)にも同じことが書かれています。水酸化ナトリウムが溶けると44.51 kJ/mol、グラムあたりにして約1.1 kJの熱が出て、その熱はすべて溶液にこもります。できたての苛性ソーダ水溶液はあっという間に90°Cを超えます。David Fisher、Catherine Failor、Anne-Marie Faiolaはいずれも約93°C(200°F)としています。苛性ソーダの山に水を注ぐと、水は熱を運び去れる量をはるかに超える苛性ソーダに触れるため、注いだところで沸騰して飛び散ります。
水は冷たいものを使ってください。Grossoは、熱い液体に苛性ソーダを加えると「あっという間に沸点の危険なほど近くか、それ以上」になると警告しており、NIOSHは、その熱で近くの可燃物に火がつくことがあると指摘しています。最初の一分間は、容器から苛性ソーダの細かいミストを含んだ蒸気が上がります。Susan Miller Cavitchは十秒ほどで蒸気に耐えられなくなり、二、三分部屋の外に出ていました。顔を背け、開けた窓のそばかレンジフードの下で作業しても同じ効果があります。このミストはごくわずかでも問題になります。米国の職場での許容濃度は、空気中の水酸化ナトリウムで2 mg/m³です。
氷や凍らせた液体を使うと温度の上がり方を抑えられます。Faiolaが苛性ソーダを冷やす方法の一つは、レシピの水分として角氷を量り、その上で苛性ソーダを溶かすことです。牛乳、お茶など糖分やたんぱく質を含む液体は熱い苛性ソーダで焦げるため、GrossoとFaiolaはシャーベット状に凍らせ、苛性ソーダをスプーン一杯ずつ振り入れています。凍らせたものはすべてレシピの水分として数えます。でき上がった水溶液に氷を入れると、レシピにない余分な水分になります。容器を冷やすときは、Watsonのように、冷水か氷水を張ったボウルに容器ごと浸けてください。
苛性ソーダはアルミニウム、スズ、鉛、亜鉛を侵し、その際に水素を発生させます。OxyChemのハンドブックはこれに銅とその合金、真鍮、青銅を加えています。したがって、アルミニウムの鍋やホイル、亜鉛めっきのバケツ、真鍮のスプーンは使えません。使うべき金属はステンレスです。OxyChemは304Lと316Lのステンレス鋼を、200°F(93°C)までの苛性ソーダに使えるとしています。
プラスチックでは、ポリプロピレン(PP、樹脂識別コード5)の容器で溶かすのが適しています。ある実験器具メーカーは、50%水酸化ナトリウムへの耐性を「優」とし、135°Cまで使えるとしています。高密度ポリエチレン(HDPE、コード2)も苛性ソーダへの耐性は同じくらいありますが、荷重たわみ温度が65°Cなので、できたての熱い水溶液より、乾いた苛性ソーダや冷ました水溶液に向いています。透明で「割れない」とされるポリカーボネートやPETGは濃い苛性ソーダですぐに傷みます。飲料用のボトルは決して苛性ソーダの容器にしないでください。
耐熱ガラスについては、本によって意見が分かれます。Cavitchは耐熱ガラスで苛性ソーダを溶かし、Watsonはオーブン対応のガラス、Fisherは丈夫なガラスの容器を認めていますが、Grossoは耐熱の計量カップが割れた例があることから勧めるのをやめました。当サイトの苛性ソーダの安全ガイドも、ガラスは避けた方がよいとしています。どちらの言い分にも理があります。メーカーによれば、ホウケイ酸ガラスは室温で30%までの苛性アルカリ溶液に問題なく耐えますが、腐食は温度とともに進み、できたての苛性ソーダ水溶液はそれより濃く、はるかに熱いものです。熱いアルカリはガラスを少しずつ侵し、熱いガラス容器を冷水に浸けて冷ますと割れることがあります。ポリプロピレンにはどちらの問題もありません。
濃度と必要な水分
水は反応には加わりません。苛性ソーダを溶かして油脂のところへ運び、その大部分は熟成の間に石けんから抜けていきます。どれだけ使うかは選択の問題です。計算ツールでは、苛性ソーダ濃度(苛性ソーダ水溶液に占める苛性ソーダの割合)、水と苛性ソーダの比、油脂量に対する水分率のどれでも指定でき、三つを同時に表示します。初期値は33%の水溶液で、40%を超えると「濃い」、25%未満だと「薄い」と表示します。それぞれの段階がトレース、硬さ、熟成、ソーダアッシュにどう影響するかは、水分のガイドで説明しています。
水の下限は、水が苛性ソーダをどれだけ溶かせるかで決まります。水酸化ナトリウムは20°Cで重量比約52%、つまり水100 gに約108 gで飽和します(OECD)。水がそれより少ないと一部の苛性ソーダが溶けきれず、石けんの中に苛性の粒として残ります。そのため計算ツールは、苛性ソーダと一緒に量る水が、苛性ソーダの重さを1.08で割った値より少ないときに警告を出します。実際には、苛性ソーダと水を同じ重さにした50%水溶液が濃さの上限で、これは約12°Cを下回ると結晶化し始めます(OxyChem)。寒い部屋に置いたマスターバッチは結晶が沈むことがあり、その上の液はラベルの表示より薄くなっています。
濃い水溶液ほど溶かすときの温度が高くなり、Grossoが指摘するように、皮膚をより速く損傷します。牛乳などの液体は、含まれる水分の分だけが水として数えられます。また、液体の一部をトレースまで取っておくと、苛性ソーダはレシピの数値から思うより少ない水に溶かされることになります。計算ツールは実際に溶かしたときの濃度を表示し、限界を超えると警告を出します。
安全と応急処置
EUの調和分類(CLP規則附属書VI、インデックス番号011-002-00-6)では、水酸化ナトリウムは皮膚腐食性区分1Aで、H314「重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷」とされ、腐食性の絵表示と注意喚起語「危険」が付きます。この分類では5%以上の水溶液はすべて区分1A、2〜5%は区分1Bです。石けんレシピの苛性ソーダ水溶液はふつう33%前後です。ECHAに届け出た企業の半数近くは、H290「金属腐食のおそれ」も表示しています。
アルカリによる薬傷は、酸による薬傷とは異なります。苛性ソーダは皮膚の脂質を石けんに変え、たんぱく質を溶かすため、損傷した組織は固まって塞がるのではなく軟らかくなり、アルカリは残っている限り奥へ奥へと作用し続けます(UK Health Security Agency)。苛性ソーダによる薬傷は最初は痛まないことがあり、苛性ソーダ水溶液が指の間でぬるぬるするのは、皮膚を石けんに変えているからです。目に入ったアルカリは緊急事態です。
防護の仕方もここから決まります。容器を開けてから石けんを型から出すまで、目の周りを密閉する化学飛沫用ゴーグル(EN 166で「3」、ANSI Z87.1で「D3」の表示があるもの)、ニトリル手袋、手袋の袖口にかぶせるようにおろした袖、つま先の覆われた靴、換気を欠かさないでください。子どもとペットは部屋に入れないでください。ビーズ状のものは砂糖に似ており、米国の規則では、これを10%以上含む乾燥した家庭用品に子どもが開けにくい包装を義務づけています。それぞれの防護具については苛性ソーダの安全ガイドで説明しています。
応急処置は水です。すぐに、長時間洗い流してください。皮膚に付いたら、乾いたビーズを払い落とし、濡れた衣服を脱がせ、米国のAgency for Toxic Substances and Disease Registry(ATSDR)が勧めるとおり流水で15分以上すすいでください。ごく小さな点より広い範囲なら、NHSとカナダのCCOHSが勧めるとおり、最長一時間まで続けてください。目に入ったら、誰かが999、112、911に電話している間、まぶたを開いたまま弱い流水で30分以上すすぎ、救助の手に引き継ぐまですすぎ続けてください。苛性ソーダを飲み込んだら、口をすすぎ、吐かせず、飲み込めるようなら水か牛乳を少量飲ませて、助けを呼んでください。英国では999の緊急事態でないときはNHS 111が相談に応じ、米国ではPoison Control(1-800-222-1222)に連絡できます。どこに住んでいても、地域の中毒情報センターの電話番号を、苛性ソーダを溶かす場所に書いて貼っておいてください。
苛性ソーダによる薬傷に酢を使ってはいけません。ビーカーの中なら酸は塩基を中和しますが、人の体の上ではその反応が、組織が傷ついているまさにその場所で熱を出します。しかも酢の瓶を探している間も、苛性ソーダは作用し続けます。ATSDRは中和剤を使うべきではないとし、OxyChemのハンドブックは、医師の指示なしにいかなる中和液も、特に目には使わないよう求めています。化学熱傷に関するレビュー(Friedstatら)でも、中和剤は熱を加え、洗浄を遅らせるとされています。この俗説が残っているのは、古い本に載っていたことと、NOAAのCAMEOの記載をはじめ一部の安全データシートが、洗い流した後の酢でのすすぎをいまだに付け加えているからです。酢は、こぼれたものを拭き取った後の作業台を拭くために取っておいてください。
保管と劣化の見分け方
水酸化ナトリウムはラベルの付いた元の容器に入れ、すくうたびにふたをしっかり閉めて保管してください。化学物質安全性カードは、乾燥した状態で密閉し、食品、強酸、金属から離して保管するよう求めています。子どもやペットの手の届かない場所に、水酸化カリウムとは別にして保管し、食品の容器や飲料用のボトルには絶対に移し替えないでください。
苛性ソーダは空気中の水分を吸い、二酸化炭素も取り込んで、その一部が炭酸ナトリウムに変わります。この反応はEUの食品添加物規格にも明記されています。どちらによっても、量った重さに含まれる水酸化物は少なくなります。水分だけなら、石けんは苛性ソーダが足りずにやわらかめになります。Dunnは、純度が95、90、85、80%まで落ちた苛性ソーダを再現して、このことを確かめました。炭酸塩は取り除くことができず、苛性ソーダと一緒にバッチに入ります。かつて石けん工場は安価な石けんを硬くするためにわざと炭酸塩を加えていましたが、SimmonsとAppletonは、入れすぎると石けんがもろくなり、表面に白い粉が吹くと警告しています。できたてのローフの表面に出る白い膜、ソーダアッシュはふつう別の仕組みでできるもので、表面の未反応の苛性ソーダが空気に触れて生じます。これについてはソーダアッシュのガイドで扱っています。
新しい苛性ソーダは、乾いたビーズやフレークがばらばらのまま流れ出ます。水分を吸った苛性ソーダはだまになり、固まります。湿気の多いメンフィスで石けんを作っていたCavitchは、固まった塊から必要な量を削り出さずに済むよう、小さな容器入りのものを買っていました。炭酸塩は見分けにくいものです。Dunnの確認方法は、ゴーグルと手袋を着けて試料を溶かし、50%水溶液にするというものです。炭酸ナトリウムは濃い苛性ソーダ水溶液には溶けないため、炭酸塩の混じった苛性ソーダでは表面に白い粒が浮きます。いくつかは避けられませんが、多ければその苛性ソーダは石けんには使えません。ふたを開けたまま放置した容器や固まった容器は、NaOHとKOHのガイドにあるクエン酸滴定で純度を測るか、新しいものに替えてください。
購入と法規制
石けん材料や化学薬品の仕入先から、水酸化ナトリウムと表示されたフレークかビーズ、または食品グレードや工業グレードのものを買ってください。輸送上は危険物(国連番号UN 1823、クラス8(腐食性物質)、容器等級II)で、この分類によって梱包と発送の方法が決まります。
EUでは、一般向けに販売される容器にCLPラベルが付きます。腐食性の絵表示、注意喚起語「危険」、H314、注意書きです。皮膚腐食性区分1なので、包装には子どもが開けにくい留め具と、視覚に障害のある人のための触覚による危険警告も必要です(CLP規則附属書IIの3.1項と3.2項)。
イングランド、ウェールズ、スコットランドでは、2022年4月6日から、重量比12%を超える水酸化ナトリウムはOffensive Weapons Act 2019(攻撃用武器法)上の「腐食性製品」になっています。18歳未満への販売は犯罪で、オンラインや電話による通信販売の販売者が、住宅や宅配ロッカーに配達すること、またはその配達を手配することも犯罪です。つまりこれらの地域では、販売者が自宅の住所に合法的に発送することはできません。
米国では、遊離の水酸化ナトリウムを10%以上含む家庭用品には注意喚起語「POISON」の表示が必要で、この規則はFederal Caustic Poison Act(連邦苛性毒物法)にさかのぼります。その濃度の乾燥した家庭用品には、子どもが開けにくい包装も必要です(16 CFR 1500.129, 1700.14)。ほかの国にはそれぞれの規則があります。合法的に送ってくれる仕入先から買い、ラベルと安全データシートを保管しておいてください。
こぼしたときの処理と廃棄
乾いたビーズは、化学物質安全性カードの勧めるとおり、手袋をしてちりとりとブラシで掃き集め、ふた付きの乾いたプラスチック容器に入れてから、その場所をたっぷりの水で拭いてください。ビーズは跳ねたり静電気で張り付いたりするので、手袋を外す前に床、はかり、袖を確認してください。
こぼれた水溶液はペーパータオルで吸い取って捨て、表面をたっぷりの水で拭いてください。工業の現場でも、中和は後始末の最後に行うもので、最初に行うものではありません。OxyChemはまずこぼれたものを回収し、残ったものだけを薄い酸で中和してから水で洗い流します。そのハンドブックは、苛性アルカリ溶液は中和の際にかなりの熱を出すと警告しています。家庭なら、苛性ソーダを取り除いた後の硬い表面を薄めた酢で拭く程度にとどめ、熱い水溶液の水たまりに酢を注ぐことは絶対にしないでください。
いちばん処分しやすい苛性ソーダは溶かさなかった苛性ソーダなので、レシピに必要な分だけを作ってください。余った水溶液は、苛性ソーダであること、濃度、日付を書いたラベルを貼り、しっかり閉まるポリプロピレンかHDPEのボトルに入れれば次のバッチまで保管できます。量は計算ツールのマスターバッチの設定で出せます。使わない水溶液や不要になった乾いた苛性ソーダは、流しにもごみ箱にも捨てず、家庭用有害廃棄物の回収に出してください。水道事業者は化学物質をそこに出すよう求めており、リサイクルセンターの中にはラベルの付いた元の容器に入ったものしか受け付けないところもあるので、自分で作った水溶液の瓶を持ち込む前に問い合わせてください。生の石けん生地もまだ苛性があり、配管の中で固まることがあるため(Grosso)、流さずに予備の型かごみ箱にかき出してください。
水酸化ナトリウムか水酸化カリウムか
分子一つあたりで見れば、二つのアルカリの働きは同じです。違うのはでき上がる石けんです。飽和脂肪酸のナトリウム石けんは室温で結晶化して固形になりますが、カリウム石けんは溶けたままです。水酸化カリウムで液体石けんや軟石けんができるのはこのためです(McBainとSierichs、1948)。苛性ソーダと苛性カリを併用するレシピは、鹸化の一部をそれぞれで行います。泡立ちのよい固形石けんにはカリウムを少し、シェービングソープにはもっと多く、クリームソープにはほとんどをカリウムにします。
見た目はほとんど同じですが、重さで置き換えることはできません。水酸化ナトリウム40.0 gと同じ働きをするのは水酸化カリウム56.1 gです。水酸化カリウムの数値で水酸化ナトリウムを量ると、石けんには油脂が使い切れる量より、さらにその半分ほど多い苛性ソーダが入ります。オリーブオイル1000 gなら128.7 gのところが200.6 gになり、スーパーファットは約−48%で、苛性の残る石けんになります。容器には両方ともラベルを貼って離して保管し、量る前に、計算ツールで数値の上に書かれているアルカリの名前を確かめてください。
よくある誤りと俗説
「手作り石けんには苛性ソーダが残っている」。正しく計算して作った石けんには苛性ソーダは残っていません。苛性ソーダは油脂が受け止められる量より少なく量られ、反応で使い切られます。Dunnが熟成後の石けんを滴定した結果もそれを示しています。本当の石けんはすべて苛性ソーダで作られており、MPソープのソープベースも例外ではありません。問題は残っているかどうかで、石けんの規格はまさにそれを測ります。たとえば東アフリカの化粧石けん規格は遊離苛性アルカリを最大0.1%まで認め、pHの上限は定めていません。本当の石けんはどれもpH 9〜10程度のアルカリ性を示すからです。
「舌に当ててみればわかる」。ザップテスト(舌で確かめる方法)は、苛性が残っているかもしれない石けんを口に入れるうえ、ひどく過剰な場合しか見つけられず、シナモンやクローブのように同じ灼熱感の受容体を刺激する香りにだまされることもあります。フェノールフタレイン、校正したpHメーター、検査機関での滴定なら、危険を冒さずに答えが出ます。それぞれの読み方は石けんのpHガイドで説明しています。
本当に害をもたらす誤りは少なく、よく知られています。苛性ソーダに水を注ぐこと、水溶液の容器を目を離したまま、またはラベルなしで置いておくこと、近くにアルミニウムがあること、古く固まった苛性ソーダを新しいものと同じように量ること、計算ツールで違うアルカリを選ぶこと、実際より低い純度を入力すること、そして薬傷に流水ではなく酢を使うことです。
出典
各数値の根拠となる引用と各出典の注記は、英語のページに出典の原文のまま掲載しています。翻訳した引用は元の文書と照合できないためです。
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