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JA
H2O

精製水(蒸留水)

蒸留水や脱イオン水は、溶けているミネラルを取り除いた水で、苛性ソーダを溶かしたり液体石けんを薄めたりするのに使います。固形石けんのレシピでは、水道水に含まれるミネラルによって失われる石けんはごくわずかですが、液体石けんや透明石けんでは濁りの原因になり、酸敗によるオレンジスポットを早める微量金属を持ち込むこともあります。

識別情報

Aqua (Water)

化学式
H2O
CAS
7732-18-5
EC
231-791-2
別名
deionised water, demineralised water, purified water

ガイド

蒸留水・脱イオン水を使う理由

水道水にはカルシウムとマグネシウムが含まれており、これらのイオンは一つにつき石けん分子を二つずつ、水に溶けないカルシウム石けんやマグネシウム石けんとして溶液から取り去ります。Thomssenの1922年の手引書にある「石灰とマグネシアの不溶性石けん」です。世界保健機関(WHO)は今もこの反応で硬度を定義しています。硬水ほど、泡立てるのに多くの石けんが要るということです。

固形石けんのレシピでは、この損失はごくわずかです。オリーブオイル1000 gの石けんを苛性ソーダ濃度33%で作ると水は261.2 gで、その水が300 mg/Lというかなりの硬水でも、1390 gのバッチのうち損なわれる石けんは約0.48 gです。泡立ちや石けんの硬さが変わることはありません。また、熟成中の石けんに出る白い粉もこれではなく、あれはソーダアッシュです。

差が出るのは液体石けんです。液体石けんでは、ペーストをその重さの数倍の水で薄めます。液体石けんのガイドの計算例では希釈用の水が2082 gで、先ほどの固形石けんの水の約八倍にあたり、300 mg/Lなら同じ計算で約4 gの石けんがスカムになって、ボトルの中に濁りや沈殿として残ります。Thomssenも、硬水は沈殿する不溶性の石けんを作ると警告しています。透明石けんでも差が出ます。Simmons and Appletonは、硬水は「石灰石けんの不透明な筋を生じやすい」と警告しており、Failorは蒸留水か軟水を使うよう指示しています。

もう一つの理由は微量金属です。米国環境保護庁(EPA)の飲料水の指針値は、銅が1.0 mg/L、鉄が0.3 mg/Lです。この濃度だと、固形石けんの水261.2 gでバッチに約0.19 ppmの銅が入ることになります。これは、Lever Brothersの特許が石けんの色と匂いを損なうのに十分だとした0.2 ppmに近い値です。ただしこれは上限値であって典型的な値ではなく、油脂自体も金属を持ち込むので、水道水はオレンジスポットの確実な原因というより、減らしておきたいリスクです。水道水には消毒のための塩素やクロラミンも含まれており、米国の規則では4.0 mg/L以下です。石けんに害があるという根拠は見つかりませんでしたが、蒸留水を使えばこの問題自体がなくなります。

蒸留水でも脱イオン水でも役目は果たせます。ISO 3696は、グレード3の分析用水の製法として、一回の蒸留、脱イオン、逆浸透を挙げています。その用途で売られている、何も添加されていない水を買ってください。

雨水、煮沸した水、軟水化した水

雨水は無料の代用品にはなりません。米国疾病予防管理センター(CDC)は、集めた雨水には屋根から鳥の糞、汚れ、病原菌が入り、鉛や銅などの化学物質も混じると警告しています。そして銅は、石けんの酸敗を早める金属の一つです。

煮沸しても水は軟水になりません。硬度には、炭酸塩硬度(一時硬度)と非炭酸塩硬度(永久硬度)があります(WHO)。加熱すると炭酸塩の一部がやかんにこびりつく水あかとして出ていきますが、非炭酸塩硬度は水に残ります。また、煮沸は銅や鉄には何の効果もありません。

イオン交換式の軟水器を通した水は、カルシウムとマグネシウムがナトリウムに置き換わっています(WHO)。ナトリウムは石けんにとって支障がないので、硬度の高い水道水よりは石けんに優しい水です。ただし、それ以外の点ではやはり水道水です。

工程で使う水

水の役目は苛性ソーダを溶かすことだけではありません。液体石けんのペーストを薄めるのにも使い、その水は計量して熱くしておき、上に述べた理由から蒸留水を使います。クリームソープでは水が大きな割合を占め、当サイトのクリームソープでは水が油脂の60%です。リバッチやハンドミルで削った石けんを柔らかくするのにも使い、分量はリバッチのガイドにあります。透明石けんでは砂糖を溶かすのに使い、ここでもFailorは蒸留水を使っています。また、炭酸ナトリウムは水によく溶けるので、熟成中の石けんに出たソーダアッシュは、さっとすすぐかスチーマーを当てれば取れます。

このサイトの試験はどれも蒸留水から始まります。pHは1%溶液、つまり煮沸して冷ました蒸留水99 gに石けん1 gを溶かしたもので測ります。溶け込んだ二酸化炭素が測定値を下げるためで、標準的な実験室の指針であるASTM D1172も同じ理由で煮沸したての水を使います。Dunnによる苛性ソーダの純度滴定では、クエン酸を蒸留水500 mLに溶かします。水道水のミネラルや溶けた気体があると、どちらの結果も狂います。

水の量

水は鹸化には関わらないので、量は選ぶものです。計算ツールでは、苛性ソーダ濃度、水と苛性ソーダの比、油脂量に対する水分率のいずれかで指定します。初期値は33%の水溶液です。水酸化ナトリウムは20°Cで約52%を大きく超えては溶けないため、50%の水溶液が実用上の水の下限です。水を多くしたり少なくしたりするとトレース、熟成、ソーダアッシュにどう影響するかは、水分量と苛性ソーダ濃度のガイドで扱っています。

出典

各数値の根拠となる引用と各出典の注記は、英語のページに出典の原文のまま掲載しています。翻訳した引用は元の文書と照合できないためです。

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