ココナッツミルク石けん
液体のすべてに缶詰のココナッツミルクを使い、レモングラスで香りをつけた、ヴィーガンでパーム不使用の石けん。ミルク自体の脂肪でリッチでクリーミーになるので、油脂のスーパーファットはいつもより低めにしています。
- 難易度
- 中級
- 製法
- コールドプロセス(CP法)
- バッチ
- 油脂1000 g 約1523 gの石けん生地
- 作業時間
- 1時間
- 熟成
- 6週間
- ジェル化
- させない 涼しく保つ
用意するもの
油脂1000 g分(1.6リットルのローフ型がいっぱいになる量)。液体も含め、すべて重さで量ります。
| オリーブオイル(バージン・精製・ピュア) · 37.0 % | 370 g | 13.05 oz |
| ココナッツオイル · 28.0 % | 280 g | 9.88 oz |
| カカオバター · 15.0 % | 150 g | 5.29 oz |
| ハイオレイックひまわり油 · 15.0 % | 150 g | 5.29 oz |
| ひまし油 · 5.0 % | 50 g | 1.76 oz |
| 水酸化ナトリウム(NaOH) · 苛性ソーダ、純度100% | 141.8 g | 5.00 oz |
| ココナッツミルク(缶詰、キューブ状に冷凍) · 脂肪分を減らしていないもの。液体の全量で、苛性ソーダはこれに加える | 361 g | 12.73 oz |
| レモングラス精油 · 油脂の2.0 %、トレース時に | 20 g | 0.71 oz |
- スーパーファット
- 4.5 %
- 温度
- ココナッツミルクと苛性ソーダは30 °C(86 °F)未満に保ち、27〜32 °C(81〜90 °F)で作る
作り方
-
ココナッツミルクを凍らせる
前日に、クリームと水分が混ざるよう缶をよく振り、ココナッツミルク361 gを製氷皿に量り入れて、かちかちに凍らせます。 -
準備する
ゴーグル、手袋、長袖を身につけ、空気の流れがある場所で作業します。油脂、苛性ソーダ、レモングラス精油を量り、型にシートを敷き、冷蔵庫の棚を一段空けておきます。苛性ソーダを入れる容器を浸けるために、ボウルに氷水を用意します。 -
油脂を溶かす
ココナッツオイルとカカオバターを弱火でゆっくり溶かし、オリーブオイル、ひまわり油、ひまし油を混ぜ入れて、27〜32 °C(81〜90 °F)まで冷まします。 -
ココナッツミルクに苛性ソーダを加える
凍らせたキューブを耐熱の計量カップに入れて氷水に浸け、苛性ソーダをひとさじずつキューブに振りかけます。ミルクを苛性ソーダに注ぐことは絶対にしないでください。ひとさじごとに溶けきるまで混ぜてから次を加えます。10〜15分かけ、30 °C(86 °F)未満に保ちます。ココナッツミルク自体の脂肪が石けんになり始めるので、黄色くなってとろみがつきます。 -
こしながら油脂に加える
とろみのついたココナッツミルクと苛性ソーダを、ステンレスのざるでこしながら油脂に注ぎ、ヘラで押し出します。こうすると、ダマや溶け残った苛性ソーダが石けん生地に入りません。 -
ライトトレースまで混ぜる
スティックブレンダーを短く回しては合間に混ぜ、ゆるいカスタードのようになり、生地をたらすとかすかな跡が残るまで続けます。 -
レモングラスを加える
レモングラス精油20 gを注ぎ入れ、ブレンダーを数秒回して全体に混ぜます。 -
型に流して冷やす
型に流し込み、作業台に軽く打ちつけて空気を抜き、ふたをせずに冷蔵庫に24時間入れて、ローフをジェル化させないようにします。 -
型から出してカットする
表面に結露しないよう、型から出す前にローフを室温に戻します。固くなったら切り分けます。たいてい流し込んでから24〜48時間後です。 -
熟成させる
周りに空気が通るようにラックに石けんを並べ、六週間熟成させます。ときどき向きを変えます。
コツ
- 缶詰の、脂肪分を減らしていないココナッツミルクを使ってください。ココナッツクリームや低脂肪タイプは水分と脂肪の量が大きく違うので、レシピを計算し直す必要があります。
- ココナッツミルクには、苛性ソーダの計算に含めていない脂肪が77 g含まれていて、これが石けんの実質スーパーファットを約11%に引き上げます。そのため油脂のスーパーファットはいつもより少し低い4.5%にしています。苛性ソーダをこれ以上減らさないでください。
- ココナッツミルクと苛性ソーダは、牛乳よりも早くペースト状にとろみがつきます。固くなりすぎて注げないときは、容器を一分ほど氷水から出して混ぜ、それからざるで押し出します。
油脂
| 油脂 | 割合 |
|---|---|
| オリーブオイル(バージン・精製・ピュア) | 37.0 % |
| ココナッツオイル | 28.0 % |
| カカオバター | 15.0 % |
| ハイオレイックひまわり油 | 15.0 % |
| ひまし油 | 5.0 % |
製法
| 製法 | コールドプロセス(CP法) |
| アルカリ | NaOH |
| スーパーファット | 4.5 % |
| 水 | 苛性ソーダ濃度35% |
| ヨウ素価 | 56 |
| INS値 | 152 |
この石けんを作る理由
乳製品を使わずに、ミルク石けんのリッチな使い心地を楽しみたい人のための、ヴィーガンでパーム不使用の石けんです。缶詰のココナッツミルクで水を全量置き換えると、ミルク自体の脂肪が約77 g加わるため、仕上がった石けんの実質スーパーファットは11%近くになります。ベースは当サイトの指標で洗浄力19、コンディショニング57とバランスの取れた配合です。作り手がココナッツミルクを好むのは、泡がよりクリーミーで密になるからで、Casey Makelaも、ミルクで石けんがよりクリーミーになり、肌が乾燥しにくくなると述べています。ただし、これは検証された事実ではなく、作り手の経験です。レモングラスは、レモンのようなさわやかな香りで選びました。注意点もあります。ココナッツミルクと苛性ソーダはすぐにとろみがつき、温かいと焦げるので、冷やしながら扱う必要があります。また、余分な脂肪がこれだけ多いと、最初の数週間は石けんが少しやわらかく感じられることがあります。
出典:
- Making Natural Milk Soap (excerpted from Milk-Based Soaps) · Storey Publishing, 1999
この種類の石けんについて、伝統、作り手の経験、研究がそれぞれ何を伝えているかを、どれにあたるかを明記して紹介しています。医学的な助言ではありません。また、皮膚の病気を治す石けんはありません。皮膚の病気がある場合は、医師または薬剤師に相談してください。
数値から分かること
- ラウリン酸 13.8 %
- ミリスチン酸 5.3 %
- パルミチン酸 12.2 %
- ステアリン酸 7.8 %
- リシノール酸 4.4 %
- オレイン酸 45.4 %
- リノール酸 7.2 %
- その他 5.5 %
飽和:不飽和 43 : 57
上の油脂の脂肪酸組成から計算しています。範囲は石けん作りの世界で定着した目安であり、化学ではありません。範囲から外れた石けんが間違っているわけではありません。
ガイドから
すべてのガイド
ミルク石けん・ヤギミルク石けんの作り方:ミルクを凍らせて淡い色に仕上げる
ヤギミルク石けんを焦がさずに作る方法。凍らせたミルク、一さじずつ加える苛性ソーダ、冷やして固める型、計算ツールで確かめた完全なレシピ。
パーム不使用(パームフリー)の石けん:パーム油の代わりになるもの
石けんでパーム油が果たす役割、作り手が使わない理由、ラード、牛脂、シア、カカオ、コクム、ステアリン酸がどう代わりを務めるか。パーム不使用のレシピの計算例つき。
スーパーファットと苛性ソーダのディスカウント:レシピが油脂の一部を鹸化させずに残す理由
スーパーファットと苛性ソーダのディスカウントの意味、計算ツールでの扱い、石けんの種類ごとの目安、トレースで加えた油が残る油ではない理由。
このレシピが登場するガイド
この配合の根拠
以下の出典付きの注記と、引用している文書のタイトルは原文の言語のまま掲載しています。翻訳した引用では文書を探せず、翻訳した技術的な要約は、もはや文書と照合した要約ではなくなるためです。
Our own vegan, palm-free blend with canned coconut milk as the whole liquid, the way Corley Barto uses it, but frozen and kept below 30 °C. The superfat is set at 4.5 %, a little under our usual 5 %, because the coconut milk brings about 77 g of fat of its own that the lye is not weighed for.
配合はHeidi Corley Barto『The Natural Soap Chef』 (Ulysses Press, 2012)をもとにアレンジしたものです。作り方と注記は当サイトによるものです。