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上級 石けんの科学 2分で読めます 更新日

石けんの酸化防止剤とキレート剤:手作り石けんの酸敗を防ぐ

石けんは、瓶入りの油と同じように劣化します。不飽和の鎖がゆっくりと空気と反応し、微量の鉄や銅がそれを早めます。ある種の添加物はこの反応を断ち切り、別の種類の添加物は金属を封じ込めます。石けんで試験されたものはどちらもほんの一握りで、その結果は言い伝えと必ずしも一致しません。

深い紫の背景に、小さな琥珀色のスポイト瓶、生のローズマリーの小枝、白いキレート剤の粉末を入れた小皿、切り分けた淡い色の石けん

要点

  • 酸敗は、不飽和の鎖の二重結合から始まります。二重結合を二つ持つ鎖は、一つしか持たない鎖より10〜40倍速く酸化します。ひまわり油、大豆油、キャノーラ油、グレープシードオイルがよく疑われるのはこのためです。
  • 鹸化してもこれらの二重結合は残るので、オレンジ色になるのはスーパーファットだけでなく、石けんそのものでもあります。
  • ローズマリーエキスやBHTなどの酸化防止剤は、連鎖反応を断ち切ります。EDTAなどのキレート剤は、反応を何度も再開させる鉄や銅を封じ込めます。
  • 石けんで行われた唯一の対照試験では、ローズマリーエキスとEDTAをそれぞれ油脂の0.1%加えると、オリーブオイル石けんがオレンジ色にならない期間が、何も加えない石けんの四倍以上に延びました。ビタミンE、グレープフルーツ種子エキス、クエン酸ナトリウムは、単独では効果がありませんでした。
  • ほかのキレート剤の大半は石けんで試験されたことがなく、その使用量はメーカーのデータシートと化粧品全般から来ています。
このページの内容

手作り石けんは、原料の油脂の弱点をそのまま抱えています。オリーブオイルやひまわり油を液体に保っている二重結合は鹸化を経ても残り、何か月もかけて酸素と反応します。その結果が、古くなった石けんの嫌なにおいと、作り手がオレンジスポット(DOS)と呼ぶ黄色からオレンジ色のしみです。このガイドではまず化学を説明し、次に酸化防止剤とキレート剤を一つずつ取り上げます。それぞれの働き、添加物データベースに載せている使用量とその出典、そしてどんな試験が裏付けているかです。斑点の出た石けんの見分け方と扱い方は、オレンジスポットのガイドで説明しています。

石けんが劣化するしくみ

酸化は、脂肪酸の鎖に二重結合があるところから始まり、とりわけ二つの二重結合にはさまれた炭素で起こります。リノール酸にはそのような炭素が一つ、リノレン酸には二つあります。そこにある水素原子は、飽和した鎖のどこよりもはるかに外れやすいため、二重結合が増えるごとに反応速度は急激に上がります。油脂の酸化に関する2025年の総説は、二重結合を二つ持つ鎖の酸化速度を、一つしか持たない鎖の10〜40倍としています(Gharby et al.)。オリーブオイルの主な脂肪酸であるオレイン酸の二重結合は一つです。ラウリン酸とステアリン酸には一つもありません。

ですから油脂の一覧は、石けんがどれくらい持つかを知る最初の目安としてかなり役に立ちます。

油脂 リノール酸(C18:2) リノレン酸(C18:3) ヨウ素価
ココナッツオイル 1〜2.5% 0〜0.2% 6〜11
牛脂 1〜6% 最大1.5% 40〜53
パーム油 9〜12% 0〜0.5% 50〜55
ラード 4〜12% 最大1.5% 55〜65
オリーブオイル 3.5〜21% 最大1.2% 75〜94
ハイオレイックひまわり油 2〜17% 0〜0.3% 78〜90
米ぬか油 21〜42% 0.1〜2.9% 90〜115
キャノーラ油 15〜30% 5〜14% 105〜126
ひまわり油(一般) 48〜74% 0〜0.3% 118〜141
大豆油 48〜59% 4.5〜11% 124〜139
グレープシードオイル 58〜78% 0〜1% 128〜150
ヘンプシードオイル 44.5〜65.5% 13.5〜30.5% 145〜170

範囲は、各油脂のページに載せているCodex規格と薬局方モノグラフの値です。ヨウ素価はすべての二重結合を数えるので、同じものをもう少し大まかに表します。詳しくはヨウ素価のガイドで説明しています。

作り手がオレンジスポットの原因として最もよく挙げる油脂は、この表の下半分にあり、化学から予想されるとおりです。ただ、私たちの知る限り、石けんでこれらの油脂を互いに比べて順位を付けた対照試験はありません。この表は順位表ではなく、注意を払う理由として見てください。

劣化するのはスーパーファットだけでなく、石けんそのもの

未鹸化の油だけが酸敗すると考えがちです。しかし鹸化は二重結合には手を付けません。オレイン酸ナトリウムやリノール酸ナトリウムは、元の油と同じ鎖を持っています。Kevin Dunnはこの点を直接試しました。スーパーファットなしと10%のオリーブオイル石けんは、加速試験の開始からおよそ75時間後、ほぼ同時にはっきりとオレンジ色になりました。最終的には10%の石けんのほうがオレンジ色が濃くなったので、スーパーファットは燃料を足すことになりますが、それをなくしても斑点は防げませんでした。この兼ね合いのほかの面はスーパーファットのガイドで扱っています。

鉄と銅が反応を速める

微量の鉄や銅は酸化をはるかに速め、問題になる量はごくわずかです。スーパーファット石けんに関するLever Brothersの特許は、石けんの「基材のにおいの劣化、斑点、変色」の原因を金属とし、「保存料がない場合、わずか0.2 ppmの銅でも、色とにおいの劣化に大きな影響を与えることが示されている」と述べています。試験に使った石けんは、何も加える前から0.3 ppmの銅と4.6 ppmの鉄を含んでおり、特許は、最大1 ppmの銅と10 ppmの鉄が「実際によく見られる」と記しています。

こうした微量の金属は避けがたいものです。植物油のCodex規格は、精製油ではキログラムあたり鉄1.5 mg、銅0.1 mgまで、バージンオイルではそれぞれ5.0 mgと0.4 mgまでを認めています。水からさらに加わることもあり、その量は硬水のガイドで計算しています。Dunnの実験は、意図せずにこの点を示しています。彼の石けんは蒸留水で作られていましたが、金属イオンと結合するのが役目のEDTAは、それでもオレンジ色になるまでの時間を四倍以上に延ばしました。

二つの防御と、どちらも保存料ではない理由

このガイドで扱う添加物は、この二つのグループに分かれます。酸化防止剤(ローズマリーエキス、BHT、トコフェロール)は連鎖を断ち切ります。キレート剤(EDTA、クエン酸塩、GLDA、グルコン酸塩、フィチン酸塩)は金属を働けなくします。

どちらも石けんを永久に持たせるわけではありません。酸化防止剤は働くうちに消費されるので、稼げるのは時間です。つまり、酸化が急に進み始めるまでの遅れ(誘導期間)が長くなります。キレート剤は消費されず、少量でも金属に比べれば大量です。1.4 kgのバッチの0.1%はエデト酸四ナトリウム1.4 g、つまり3.7 mmolですが、Codexの上限いっぱいのバージンオイルでも、キログラムあたりの鉄と銅は合わせて約0.1 mmolです。ただしキレート剤は、金属の助けがなくても反応を進める酸素、熱、光には何の効果もありません。

保存料でもありません。EUの化粧品法では、保存料とは「化粧品中の微生物の増殖を抑えることを専らまたは主な目的とする物質」です。ビタミンEとローズマリーエキスは油脂の酸化を遅らせますが、カビや細菌には何の働きもないので、ローションや液体石けんを安全に保存できるようにはなりません。

唯一の対照試験

石けん中のこれらの添加物について測定されたことのほぼすべては、一つの研究から来ています。2004年の秋から、DunnとHampden-Sydney Collegeの学生たちは、オリーブオイル100.0 g、水酸化ナトリウム13.0 g、蒸留水26.0 gでオリーブオイル石けんを作り、そこに添加物を0.1 g、つまり油脂の重さの0.1%加えました。それぞれの石けんを60 °C(140 °F)で4時間保って鹸化を終わらせ、1 gずつのサンプルを酸素または窒素を入れた小瓶に密封して60 °Cで保管し、毎日スキャンして色の彩度を測りました。彩度がおよそ30%を超えると、石けんははっきりオレンジ色に見えます。

石けん(添加物は油脂の0.1%) 60 °Cの酸素中での誘導期間
何も加えないオリーブオイル石けん 約75時間
グレープフルーツ種子エキス、ビタミンC、ビタミンE、クエン酸ナトリウム 何も加えない石けんと差なし
BHT 約150時間
ローズマリーエキス(ROE) 300時間超。彩度30%未満を維持
EDTA 300時間超。彩度30%未満を維持
ROEとEDTA、またはBHTとEDTA 300時間超。25%未満を維持
BHTとクエン酸ナトリウム 300時間超。作りたての石けんの色である約10%を維持
ROEとクエン酸ナトリウム ROE単独より悪い
何も加えないココナッツオイル石けん(比較用) 彩度が20%を超えることはなかった

Dunn「The Dreaded Orange Spot」、The Handcrafted SoapMaker、2005/06年冬号。試験は約300時間で終わったので、「300時間超」は、観察している間に酸化が一度も急に進まなかったという意味です。

Dunn自身は、斑点を完全に避けられるかもしれない石けんには、油脂の重さの0.1%ずつのBHTとクエン酸ナトリウムを、天然原料を求める顧客を持つ作り手には0.1%のローズマリーエキスを勧めました。Scientific Soapmakingでは、「最も強力な保存料はEDTAだった」と書き、「わずか0.3 pptの割合で苛性ソーダ水溶液に加えた場合」でも効果があるとしています。

この結果は、その範囲で読んでください。一つのレシピ、それも一種類の油だけのオリーブオイル石けんを、一つの用量で試したものです。60 °Cの純酸素中という加速試験であり、300時間が棚の上での何か月に相当するのかは誰も割り出していません。測っているのは全体の色で、においや斑点ではありません。しかも二つのうち、斑点のほうが理解が進んでいません。Leverの特許は、酸化を石けんの「酸敗の最も可能性の高い原因」としながら、「斑点や全体的な変色の発生は、それほどはっきりとは理解されていない。基材のにおいの劣化に伴うことが多い」と述べています。各添加物はそれぞれの気体で一つのサンプルしかなく、繰り返しも誤差範囲もありません。記事には、ローズマリーエキスの濃度もEDTAの形態も書かれていません。掲載されたのは査読付きの学術誌ではなく、ギルドの会報です。そしてこれは、私たちが見つけた限り、石けんでこれらの添加物を試した唯一の対照試験でもあります。結果の一部は化学と合っています。たとえば、強いキレート剤が効き、弱いキレート剤が効かなかったことです。説明のつかない結果もあります。ビタミンEもフェノール系の酸化防止剤なのに、BHTとローズマリーエキスが成功したところで失敗しました。

酸化防止剤

添加物データベースには四つを載せており、使用量は出典までたどれます。計算ツールは推奨量を入力し、その添加物ガイドではほかの使用量を出典とともに示しています。

ローズマリーエキス

ローズマリー・オレオレジン抽出物(INCI:Rosmarinus Officinalis Leaf Extract)は油溶性の濃縮物で、有効成分はフェノール化合物の一群、主にカルノシン酸とカルノソールです。濃度の違うものが売られており、カルノシン酸2%、5%、約7%のものが一般的です。また、同じINCI名はローズマリーの水抽出物やグリセリン抽出物にも使われますが、これらは別の製品です。ローズマリーの精油もまた別の製品で、代わりにはなりません。

推奨量はDunnの、油脂の0.1%です。油脂1000 gに1 gで、私たちのデータにある滴の重さで換算すると、およそ30〜50滴です。手作り石けんの資料ではもっと少なく、油脂の0.02〜0.08%、あるいは0.05%以下とされています。油脂が新鮮なうちに、苛性ソーダ水溶液と合わせる前に油脂に加えます。このタイミングは化学から決まります。酸化防止剤は連鎖反応を遅らせますが、すでにできたヒドロペルオキシドを元に戻すことはできないので、まだ劣化し始めていない油脂にいちばんよく効きます。

多ければよいわけではありません。光にさらした大豆油で、HallとCuppettは、ローズマリーエキスが0.02〜0.05%で最もよく効き、0.01%でも0.5%でも酸化を速めることを見いだしました。これは光の下の油であって石けんではありませんが、ROEを目分量で注がずに量る理由になります。

ビタミンE

トコフェロールは植物油に天然に含まれ(Codex規格には油脂ごとの値が載っています)、酸化防止剤としても売られているので、ほとんどの作り手が手に取るのはビタミンEです。Dunnの試験では、油脂の0.1%で何の効果もなく、石けんは何も加えない石けんと同じ速さでオレンジ色になりました。ローズマリーエキスが効いたのに、なぜビタミンEが効かなかったのかはわかっていません。データベースにはCavitchの使用量として、材料全体の約0.06%を、苛性ソーダを加える前の油脂に入れるものとして載せています。

手元のものがどの形態かを確認してください。肌用に売られている「ビタミンEオイル」は酢酸トコフェロールであることが多く、これはエステルなので、ほかのエステルと同じく苛性ソーダで分解されることがあります。また、ビタミンEは根拠が許す以上に、保存料として作り手向けに売られています。上の定義に従えば、保存料ではありません。

BHT

合成フェノールのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)は、Dunnの試験で単独でも誘導期間を約150時間へと二倍に延ばし、クエン酸ナトリウムと組み合わせると、試したなかで最もよい結果を出しました。推奨量はDunnの、油脂の0.1%です。融点が約70 °Cなので、温めた油脂に入れて溶かします。EUでは、内分泌かく乱作用の可能性についての評価を受けて、2023年から石けんなどの洗い流す製品で0.8%までに制限されています。ラベルにはBHTと表示します。

グレープフルーツ種子エキス

Dunnの試験では効果がありませんでした。そのうえ、いわくもあります。von Woedtkeらは、調べたグレープフルーツ種子エキスのうち抗菌活性のあるものすべてから保存料の塩化ベンゼトニウムを見つけ、Takeokaらは、ある液体エキスでその濃度を8%と測定しました。瓶の中身にどんな効果があるにせよ、それはラベルに書かれていない何かによるものかもしれません。頼りにできる酸化防止剤ではありません。

キレート剤

キレート剤(INCI) データベースにある石けんでの使用量 苛性ソーダ 石けんで試験済みか
Tetrasodium EDTA バッチの0.1〜0.2%(Dow)、0.05〜0.25%(Classic Bells) なし はい:油脂の0.1%で300時間超(Dunn)
Disodium EDTA バッチの0.1〜0.3%(化粧品全般) グラムあたりNaOH 0.215 g(計算に含む) いいえ
Sodium Citrate 油脂の1.3〜3.9%(Classic Bells) なし はい:0.1%単独では効果なし。BHTとの組み合わせで最良
Citric Acid 油脂の1〜2%、範囲0.1〜3%(Classic Bells) グラムあたりNaOH 0.624 g(計算に含む) いいえ
Tetrasodium Glutamate Diacetate(GLDA、47%液体) バッチの0.25%、範囲0.1〜1%(化粧品全般) なし いいえ
Sodium Gluconate バッチの0.5〜1%(Classic Bells) なし いいえ
Sodium Phytate バッチの0.05〜0.5%(化粧品全般) なし いいえ

添加物データベースより。「計算に含む」は、添加物が消費する苛性ソーダを計算ツールが加えるという意味です。最初の数値が、計算ツールが入力する値です。

EDTA

エデト酸四ナトリウムは、石けんで最も実績のあるキレート剤です。Dowは固形石けん向けに0.1〜0.2%で販売しており、その用途で「金属イオンによる軟化、茶色の斑点、酸敗、ひび割れ、変色を防ぐ助けになる」としています。Leverの特許はこれをエチドロン酸とそれぞれ約0.02%ずつ組み合わせ、二つを一緒に使うとどちらか単独よりよく効くことを見いだしました。苛性ソーダを追加する必要はありません。

油脂ではなく水に入れてください。Dowのキレート剤は「水溶液にしか溶けない」もので、同社の指針は、「工程のできるだけ早い段階で、たとえば水相のときに」加えることです。Dunnは苛性ソーダ水溶液に加えています。ある仕入先のガイドは濃い苛性ソーダ水溶液に入れないよう警告していますが、Nouryonのデータでは、EDTAは28%の苛性ソーダ水溶液にも約6重量%(酸として換算)まで溶けており、石けんでの使用量であるコンマ数パーセントをはるかに上回ります。苛性ソーダを入れる前の水に溶かしておけば、この問題は起こりません。

エデト酸二ナトリウムは、中性の化粧品向けに売られている形態です。苛性ソーダの中では水酸化ナトリウム二分子を取り込んで四ナトリウム塩になるので、計算ツールはそのために必要な苛性ソーダとして、グラムあたり0.215 gを加えます。

クエン酸ナトリウムと、クエン酸ナトリウムになるクエン酸

クエン酸ナトリウムはEDTAより弱いキレート剤です。Dunnの試験では、油脂の0.1%で単独では差が出ませんでしたが、BHTと組み合わせるとすべての中で最もよい結果を出しました。単独で働くよりも、パートナーとして働くことを示しています。手作り石けんでの使用量はずっと多く、油脂の1.3〜3.9%で、主に硬水対策として売られています。ただし、石けんが一回の洗浄で溶け出す量は、水を軟らかくするにはまったく足りません(計算は硬水のガイドにあります)。入れすぎると石けんの表面に白い結晶が出ます。

苛性ソーダを溶かす水に入れたクエン酸は、苛性ソーダを消費しながらクエン酸ナトリウムに変わります。スーパーファット5%のオリーブオイル石けん1000 gでは、クエン酸10 gを加えると、計算ツールは水酸化ナトリウムを128.7 gから134.9 gに増やします。そのためスーパーファットは設定したとおりに保たれ、石けんには約15 gのクエン酸ナトリウム二水和物と同じだけのクエン酸塩が残ります。苛性ソーダを調整しなければ、酸の分だけスーパーファットが上がるだけです。苛性ソーダはゆっくり加えてください。二つが出会うところで、酸が泡立って熱を持ちます。

苛性ソーダの量の変化を見る。オリーブオイル1000 gにクエン酸10 gを加えると、計算ツールが求める水酸化ナトリウムは128.7 gではなく134.9 gになります。

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GLDA、グルコン酸塩、フィチン酸塩

この三つはEDTAより穏やかな、あるいは環境にやさしい代替品として売られていますが、私たちが探した限り、石けんの酸敗に対して試験されたものはありません。データベースの使用量は化粧品全般から、グルコン酸塩については一つの仕入先ガイドから来ています。

GLDAはグルタミン酸ナトリウムから作られ、メーカーは易生分解性をうたい、まさにその点でEDTAなどの従来のキレート剤と対比しています。オーガニック化粧品の規格であるCOSMOSは、石けんでの使用を認めています。メーカーの数値はよく読む価値があります。GLDAは銅をpH 12付近まで保持しますが、鉄はpH 8付近までしか保持できず、それを超えると鉄は水酸化物として沈殿します。石けんはpH 8を大きく上回るので、GLDAは銅を抑えられても、鉄を溶液中に保つことはできないはずです。沈殿した鉄が石けんの中で酸敗をなお速めるかどうかは、私たちの知る限り試験されていません。

グルコン酸ナトリウムは、アルカリ中での強さを売りにしているものです。メーカーによれば、強アルカリ性の溶液では「EDTAなど、ほかのすべてのキレート剤をしのぐ」とされています。溶かすと数日で傷むので、作り置きする苛性ソーダ水溶液に入れてはいけません。フィチン酸ナトリウムはグレードによって違います。完全に中和されたもの(pH 12前後)かどうかを確認してください。そうでなければ、計算ツールが計算に入れていない苛性ソーダを消費します。

まとめ

上の表の下のほうにある油脂を多く使うレシピなら、最も裏付けのある組み合わせは、水にEDTA、新鮮な油脂にローズマリーエキスを、それぞれDunnが試した量で加えることです。顧客が合成原料を気にしないなら、BHTとクエン酸ナトリウムの組み合わせのほうがさらによい結果でした。レシピ集の低コストの石けんは四分の一がキャノーラ油で、一つ目の組み合わせの例になります。エデト酸四ナトリウム1.5 gは1433 gのバッチの0.1%、ローズマリーエキス1 gは油脂の0.1%です。どちらを加えても、必要な水酸化ナトリウム142.1 gは変わりません。アレッポ風ローレル石けんは、ローズマリーのほうだけを使っています。油脂の0.1%にあたる1 gを新鮮な油脂に混ぜ、六か月の熟成を乗り切らせます。

キャノーラ油のレシピで試す。低コストの石けんで、苛性ソーダを溶かす水にEDTA 1.5 g、油脂にローズマリーエキス1 gを加えても、必要な水酸化ナトリウムは142.1 gのままです。

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添加物は二番目の防衛線です。一番目はレシピそのものです。Dunnのココナッツオイル石けんは、二重結合をほとんど持たない油脂から作られており、一度もオレンジ色になりませんでした。その次が新鮮な油脂です。すでに劣化し始めた油脂は、酸化防止剤では救えないからです。そして、熱と光を避けて石けんを熟成させ、保管することです。熱も光も反応を速めます。

何を加えるにせよ、ラベルに書いてください。Dunnの最後の助言は、石けんに何が入っているかを顧客に正確に伝えることでした。人はそれぞれの理由で石けんを選び、「天然」のローズマリーエキスも「合成」のBHTも、それぞれ誰かにとっては大事なことだからです。

試してみたいレシピ

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出典

これらの出典に関する注記は英語のページにあります。各文書と照合したときの文言のまま掲載しています。

  1. The Dreaded Orange Spot . Kevin M. Dunn, The Handcrafted SoapMaker (Handcrafted Soapmakers Guild), Winter 2005/2006 , 2005.
  2. Scientific Soapmaking: The Chemistry of the Cold Process . Kevin M. Dunn, Clavicula Press , 2010.
  3. Superfatted soap bar containing a synergistic preservative mixture of EHDP and EDTA (US 3,511,783) . Lever Brothers Company , 1970.
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